運転基礎能力トレーニング

「Coordination Trainer」とは

「Coordination Trainer」とは、回復期リハビリテーションセンターなどで取り組んでいる「自動車運転再開支援」の一環として、1台のシステムで単純反応や視覚/聴覚訓練など運転時に必要な「基礎能力トレーニング」と、3DCG上の交通シーンを自動車で走行し危険を予測したり認知判断ができているか、また危険感受性を高めるトレーニングとした「運転シミュレータ」の2つの要素を兼ね揃えたシステムです。
「運転基礎能力トレーニング」では視覚によるハンドル操作やペダル操作、また聴覚訓練などを含む体験者の運転時に必要とする基礎的能力を測定し数値化することで可視化し、「運転再開」だけでなく「運転断念」への判断材料にもなります。
また、体験者へ運転評価を説明しやすくなり、ご本人様にもご理解いただきやすくなります。
「運転シミュレータ」では都市部や農村部、山道など様々な交通シーンを走行し、「危険予測」「運転操作」「法令順守(交通違反)」の観点から走行データを分析、総合評価A~Eで評価します。
実車では再現することのできないシチュエーションを体験することができ、出力された「運転診断レポート」から、ご自身の運転を客観的に振り返ることができます。

様々な体験者様に対応したハードウェア設計

体験者様の疾患に合わせて、手すりや取り外し可能な旋回補助具(ハンドルアシスト)が設置され、どなたでも利用しやすい仕様となります。
また通常左側にあるクラッチペダルをアクセルペダルとしてご活用いただくことで片麻痺のある方でも改造車を想定したペダル操作が可能となります。
※体験はすべてAT車仕様になります。
操作タッチパネルを採用することで、PC等が苦手なスタッフの方でも画面の指示にしたがって進めることで簡単に操作できます。
また、菌やウイルスを不活化する空気触媒溶液で筐体全体を抗菌コーティングしてある為、安心してご利用いただけます。

運転再開に向けた段階的なトレーニング

イラスト状のコンテンツ課題を体験し、認知機能の段階的なトレーニングを行うことができます。
反応時間や正誤等の数値化された結果を参考に3DCGで再現された運転シミュレータを用いた段階的な訓練や、体験者に合わせた並行訓練を限られたリハビリトレーニング時間で行うことが可能です。
また、認知機能のトレーニングと実車に近いシミュレータ訓練を継続することにより、自動車運転再開に向けた効果的なトレーニングが行えます。

体験結果を個人ID別に保存できるデータ管理システム

体験者ごとにIDによる個別管理や時系列管理が可能です。
その為、体験者ごとの改善点及び課題が説明しやすくなります。
他にも運転シミュレータにおいてはIDの文字列に何かしらのカテゴリー分けを設けることで、疾患別や年齢別による傾向を任意で分類することができ、それにより管理システムから個人のデータ以外に統計を出力することも可能です。